24年5月号
「秋サケ」から「養殖サーモン」へ?
店主の小野です。今月も「海のごちそう頒布会」をお買い上げいただきありがとうございます。商品やサービスに関してお気づきの点がありましたら、同封のハガキでお知らせ頂ければ幸いです。
さて、3月初め頃までは比較的暖かく、桜の開花日が早いのでは?との憶測がありましたが、その後、真冬に逆戻りしたような寒い時期が続いたことで、全国的に桜の開花日が例年より遅くなりました。こちら岩手の観光地でも、イベント日が変更になった所もあったそうです。天気というのは本当にわからないものですね。皆様、お元気でお過ごしのことと存じます。
先日、国の研究機関による「近年の水温上昇による影響(東北太平洋側)」と題する講演を聴く機会がありました。それによると、ここ数年三陸沖の海水温の上昇が続いていて、特に昨年は平年に比べて約10℃も高い地帯があったとのことでした。魚類は、人間の数倍も海水温の変化に敏感だと聞いたことがあるので、三陸の魚の水揚げ減少は、やはり海水温上昇の影響が大きいのかと改めて感じた次第でした。
実際、5年前までは、年間1万トンも水揚げがあった岩手県の「秋サケ」漁は、昨年わずかに160トンでした。北海道では、三陸ほどの減少にはなっていないので、今のところ秋サケ原料を調達できない訳ではありませんが、コスト面を含め頭が痛いです・・・・。 一方、県内の漁業生産者団体は、この苦境に対応すべく数年前から養殖サーモンの生産に乗り出し、昨年の岩手県の養殖サーモンの生産量は約 3,000トンで、数年後には 5,000トンを超える見込みとのことです。
また講演会では、海水温上昇により、三陸沖では温暖性魚種が増えつつあるとの話もありました。ここで紹介されたのは、ブリ、シイラ、太刀魚、アカムツ、カンパチ、サワラなどでした。ブリを除けば、まだ頒布会で活用できる水揚げ量ではありませんが・・・。
養殖サーモンも含め、今後の新たなメニュー実現に向けて、試作を重ねていく所存です。回遊魚類は今回の「秋サケ」のように急減することがありますが、その逆のケースも過去にはありましたので(^-^;
今後ともよろしくお願いいたします。