23年9月号
懐かしい食卓
店主の小野です。「海のごちそう頒布会」をお買い上げいただき、ありがとうございます。商品やサービスに関してお気づきの点がありましたら、同封のハガキでお知らせ頂ければ幸いです。
この夏は、各局のテレビの天気予報から「危険な暑さ」という言葉が、飛び交っていましたね。実際、体温を超える最高気温が全国各地で観測されるなど、これまで経験したことがないほどの猛暑に見舞われた夏でした。まだ暑さがぶり返す日もあるかと思います、くれぐれも体調管理にお気を付け下さい。
こちら三陸でも日中は暑く感じる日もありますが、夕方には涼しいそよ風が心地良く感じられるようになってきました。休日の夕方、そんな時間を過ごしていると、なぜか子供の頃の食卓の記憶がよみがえってきます。今日はそんな話をさせていただきます。
私にとって、今はあまり食べる機会がありませんが、子供の頃、よく食卓に上っていた食品の代表は「くじら料理」です。
当時、釜石には捕鯨会社があり、どこのお魚屋さんにも、イワシやサバ、イカなどと並んでクジラのお肉がありました。私の自宅のすぐ近くの店でも、クジラの赤肉をスライスしたものや、白っぽい部分が多い「くじらベーコン」、そして衣をつけて油で揚げた「くじらカツ」を品揃えしていたものです。
当時、母は加工場で仕事をして忙しかったのか、わが家の食卓には、そのお店の「くじらカツ」がよくのぼっていたものでした。醤油、生姜で下味をつけた「くじらカツ」はとても美味しく感じた記憶があります。また父の晩酌の定番は「くじらベーコン」、子供の私にとっては脂身が多く少々苦手でした。
余談になりますが、地元の高校を卒業するまで、わが家では「ベーコン=くじらベーコン」でした。九州の大学に進学して、それまで見たこともなかった「豚肉のベーコン」をスーパーで購入して、味の違いにビックリしたことも懐かしい思い出です。最近は、日本酒に合わせると悪くないと思うようになりましたが(^-^;
初秋の味わいと言えば、七輪から香ばしい煙りが漂う「サンマの塩焼」、秋の風物詩でした。今年こそ水揚げが増え、この「頒布会」でも、サンマ焼魚メニューをお届けしたいものです。