24年2月号
作り育てる漁業の時代
店主の小野です。今月も「海のごちそう頒布会」をお買い上げいただきありがとうございます。商品やサービスに関してお気づきの点がありましたら、同封のハガキでお知らせ頂ければ幸いです。
今年もまもなく「3.11」を迎えますが、未だにあの災害が夢であればと思う事があります。今年の元旦の午後、まさかの最大震度7の大地震と津波が北陸を襲ったのには息が止まる思いでした。被害に遭われた方、ご家族の方々に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
ある新聞記事によると、日本列島は多くの活断層の上にあり、マグニチュード6以上の地震が世界全体の約18%も発生しているとのことでした。今後も、各地で地震や津波が起こりうるでしょう。お互いに、日頃からいざという時に備えていかなければなりませんね。
さて、こちら三陸では今シーズンの秋冬漁が残念ながら不漁続きで終了いたしました。この時期の主要魚種であるサンマ、スルメイカ、そして秋鮭の水揚げがいずれも前年を下回る状況でした。一方で、近年三陸各地の漁業生産団体に大きな変化が現れています。それはサーモン類の養殖事業への取組です。
岩手では7年前に、ある漁業生産団体が大手水産商社の協力を受けテスト生産を始めたのですが、翌年から本格的な生産に入り、昨シーズン(水揚げは春から初夏)は7漁業生産団体に増加し、岩手全体での水揚げ総量も天然の秋鮭漁を上回る規模になってきました。
この養殖事業の拡大傾向、実は世界全体でも同様の動きになっています。日本同様に、世界全体でもすでに公海での漁業生産量はやや減少傾向となっていますが、それを補う形で養殖事業は世界中で拡大し続けているのです。考えてみれば、肉類では、ポーク、チキン、そしてビーフも畜養です。天然のお肉はジビエというカテゴリーで区分けされていますが、将来的には魚もそうなってしまうのでしょうか・・・・昭和生まれの私は、何だか寂しい気もしますが。
三陸の魚に話を戻します。水揚げは減少しましたが高鮮度のお魚を仕入れています。今年も三陸以外の原料も組み合わせて、皆様に喜んでいただければメニューをお届けしていきます。よろしくお願いいたします。